2020年2月8日、マリノスにとっては2か月間のオフシーズンを経て久しぶりの公式戦となりました。私たちサポーターにとっては、15年ぶりの栄冠を手にしたあの試合からまた新たなシーズンを迎えることは待ち遠しいものでしたね。
この日のキックオフは13時35分、でしたが後述するようなイベントがたくさんあるため、朝9時30分には埼玉スタジアム2002に辿り着いていました。ちなみに埼玉スタジアムに来るのは、去年4月のアウェイ浦和戦以来10か月ぶりですね。
スーパーカップは毎年「Jリーグマスコット総選挙」の結果発表の場であり、今年も53のマスコットがここ埼玉スタジアムに勢ぞろいしました。
そのマスコットたちがスタジアム下の関係者用通路を移動している場面に偶然遭遇できました。残念ながら我らがマリノスケは過ぎ去った後だったので、個人的に気に入った2キャラクターを紹介します。
まずは今回のマスコット総選挙2020で22位となった、鹿児島ユナイテッドFCのゆないくーです。
公式プロフィールによると薩摩犬の男の子だそうですね。明るく元気な性格は歩いていた姿からも伝わってきて、突然駆け出してスキップを始めた姿には私も心を奪われました。めっちゃ可愛い……推せます。
ちなみに写真で前後にいるジュビロ磐田のジュビロくんは20位、ジェフユナイテッド千葉のユニティは24位、それと全体の列を見て考えたところ、どうやら試合当日時点で順位が発表済みの4位以下のマスコットたちはだいたい順位通りに並んで歩いていたようですね。
次に紹介するのは、今回のマスコット総選挙では41位だったいわてグルージャ盛岡のキヅールです。(公式プロフィール)
折り鶴から足が生えたその姿は、Jクラブのマスコットの中では異色で、ゆるキャラ感あって面白いですね。生でその姿を見ると不思議な迫力がありました。
次に私は、これまたスーパー杯恒例のスタグルフェスに向かいました。これは日本各地31クラブから1店舗ずつスタグルが出店するイベントです。
私が食べたのは、名古屋グランパスからの知多牛バーガーと、松本山雅FCからの山賊焼きでした。
サッカー観戦経験は豊富な私ですが、基本的にはマリノスの試合にしかアンテナを張っていなかったので、ほかのクラブのマスコットやスタグルなど、今まで気付かなかったたくさんの魅力をこの日に知ることができました。これこそがスーパー杯の魅力の1つですよね。
ここまではスーパー杯ならではのお祭り、ここからはいつものサッカー観戦です。とはいえ、試合前後の部分もやはりお祭りのようないつもとは違う楽しさがありました。
試合開始前には、J全56クラブのフラッグがピッチに掲げられました。
まさに、Jリーグ2020シーズンの開幕を告げるセレモニーですね。
この試合の対戦カードは、2019シーズン明治安田生命J1リーグ王者の横浜F・マリノスと2019年の天皇杯王者のヴィッセル神戸です。この両チームはただ優勝しただけでなく、攻撃的サッカーを貫いて優勝したマリノスと、有名選手を上手く融合したヴィッセルという、Jリーグに新たな風を吹き込む取り組みに苦労しながらも成果を上げることができた2チームで、Jリーグ新時代到来という感じですよね。
では試合に入ります。
まず私にとって初めての生イニエスタ選手は、とんでもないプレースキル・統率力を持ったすごい選手でした。
27分、そのイニエスタ選手が浮かしたパスがドウグラス選手に入り、ヴィッセルの先制ゴールとなりました。ボールが2人のDFの間を突然抜けたので、ゴール裏から見ていた時は「リフレクションが偶然ドウグラスに入っちゃったのかな」と思っていましたが、試合後にハイライトを見てみたらイニエスタ選手は狙ってパスを出したのだとわかり、衝撃を受けました。
その後試合は、36分にマルコス・ジュニオール選手がこぼれ球を頭で押し込んで同点、40分にマリノスのパスが乱れたところを古橋享梧選手が無人のゴールに流し込み勝ち越しと進み、マリノスはビハインドで前半を折り返しました。
ハーフタイムには前述のJリーグマスコット総選挙2020の結果発表が行われました。
その結果、我等がマリノスケが1位となったことが発表されました。
マリノスケの優勝を祝い「ダレカンピオン」を歌うことができてよかったです。
試合は後半に入ります。
54分、左深くに入ったエリキのグラウンダークロスを扇原選手が押し込んで再度同点とします。このゴールシーンで湧き上がるマリノスサポーターの声が、以下の公式動画ではまるでプレミアリーグのサポーターのような声質に聞こえたので、是非とも一度見てみてください。
ワンタッチで合わせて再び同点!
— Jリーグ (@J_League) 2020年2月8日
✔ ゴール!!
🏆 FUJI XEROX SUPER CUP
🆚 横浜FMvs神戸
🔢 2-2
⌚️ 54分
⚽️ 扇原 貴宏(横浜FM)#Jリーグ #Jリーグ開幕
📺FUJI XEROX SUPER CUP 2020
地上波・日本テレビ系で生中継中!https://t.co/WztJhNbZfH pic.twitter.com/ADXaS44aFa
その後69分に神戸は山口蛍選手のゴールで三度勝ち越し、73分にエリキ選手のゴールでマリノスが三度同点とします。
その他にも決定機は多くありましたが、神戸の守護神飯倉大樹選手に何度も阻まれてしまいました。
試合は90分で決着がつかず、PK戦へ。これが伝説となりそうな激ヤバPK戦でした。
2019シーズンのマリノスでPKを直接決めている選手はエジガル・ジュニオ選手、マルコス・ジュニオール選手、 エリキ選手のブラジル人3名。しかし交代もあり、正PKキッカークラスの選手でPK戦に挑めたのはエジガル選手のみでした。
また、マリノスのキーパー朴一圭選手はPK戦が苦手、対する神戸の飯倉大樹選手は経験豊富かつ去年夏までマリノスに所属していたため情報戦で優位でした。
さらに、PK戦が行われたのはヴィッセル神戸サポーター側のゴールでした。
このような条件からちょっとマリノスが厳しいかな……とは思っていたのです。
まず初手がチアゴ・マルチンス選手だったのには笑いました。メンタルは強そうだけどあまりにもPK蹴るイメージが無さすぎます。(笑) でもしっかり決めてきました。
その後はイニエスタ選手、扇原選手、田中選手が決め、2-2とします。
問題は3人目から、まずはこのPK戦に挑んだマリノスのキッカー陣で一番PKが上手いであろうエジガル選手が飯倉選手にコースを読まれて止められます。これはさすが飯倉さんとしか言えませんでした。このまま神戸優位かと思いきや、小川選手が付き合って外してくれました。
4人目の水沼選手は枠を外し、神戸の西選手のキックは朴選手がストップします。
5人目の松原選手も大外し、これでほぼ負けでしたが大崎選手も外してくれました。
そして6人目、和田選手が飯倉選手に止められ、神戸のキッカーは現役ベルギー代表のフェルマーレン選手。さすがに万事休すかと思ったのですが、なんとフェルマーレン選手までも枠を外すという異様な雰囲気。
7人目は遠藤渓太選手がバー上部に直撃させ、神戸は空気の読めない(?)仕事人の山口蛍選手が決め、ようやく決着が付きました。
9人連続PK失敗の珍事を目の当たりにしてしまいました。マリノスがPKが不得意なのはともかく、神戸がそれに付き合ってくれたのがびっくりです。
それにしても、マリノスはタイ代表でPKキッカーを任されているティーラトン選手を7人目までに入れてなかったのですよね。直近の代表戦でPKを外したからですかね? あと、FWの仲川輝人選手もキッカーには入りませんでしたが、彼はなんとなくイメージ的にPKは苦手そうです。そして神戸も日本人選手の中では一番メンタルもキックも上手そうな山口蛍選手を5人目までに入れてこなかったのは不思議でしたね。
PK戦のキッカー順の謎、妄想が捗ります。
というわけで2020年のFUJI XEROX SUPER CUPはヴィッセル神戸の勝利となってしまいましたが、試合前からPK戦まで、全てがJリーグのお祭りでとても楽しかったです。また来年もマリノスがスーパー杯に出場できるように2020シーズンも応援したいと思いました。
※この記事は新型コロナウィルスの影響によりJリーグが中断する前の気持ちを思い出しながら書きました。