飯倉大樹選手の思い出
7月27日に開催されたマンチェスターシティとのEUROJAPAN CAP 2019での試合の最後に、ヴィッセル神戸への完全移籍が決定した飯倉大樹選手のセレモニーが開催されました。
当初はその感想もその記事に 書く予定でしたが、文章があまりにも肥大化しすぎたので、この記事に分けて投稿することになりました。
飯倉大樹選手は私がマリノスの試合を頻繁にスタジアム観戦するようになった2005年にユース上がりでプロ入りした選手であり、足元の技術を積極的に使いたがる姿勢も含めて、今までで最も好きな選手の1人だったと思います。
……と、もの思いにふけりながらセレモニーの開始に臨んだら、すると飯倉さん自身が2005年からの思い出を語ってくれたのです……うおおおおおお。
2005年にプロ入団。その時は背番号16でしたね。
2006年にはロッソ熊本(現・ロアッソ熊本)へのほぼ片道切符な期限付き移籍。この際、飯倉さんは奥大介さんに頼み込んで、クラブに複数年契約にしてもらったのだそうです。
2007年に念願のマリノス復帰。背番号31番。10月の清水戦では、出場停止の榎本哲也選手*1に替わってスタメン出場し、Jリーグデビューを果たします。この試合は私も日産スタジアムに見に行ってました。矢島卓郎選手に2点取られて敗戦でしたね。
2008年は榎本哲也選手と秋元陽太選手のみの出場で飯倉大樹選手は公式戦出場無し。
2009年からは高桑大二郎さんの後を継いで背番号21を付けます。
この年の4月の磐田戦でついに実力でスタメンの座を勝ち取ります。この年は公式戦27試合に出場しました。活躍したり、6試合出場停止になったり、飯倉さんにとって波乱万丈の1年でした。
2010年はスタメンに定着し、リーグ戦34試合全てに出場しました。
2011年も33試合(残り1試合は秋元陽太選手)に出場し、マリノスの守護神といえば飯倉大樹となります。この頃の飯倉さんのチャントは“Don't Worry Be Happy”が原曲の
いーいーくらららー
いいくらひろきーー
いいくらひろきーー
らららららーー
という曲で、クールでかっこよかったです。しかし音程の取りにくさなどがあったのか後に松永成立さんと同じハレルヤチャントに変更されます。
2012年も変わらずスタメンとしてコンスタントに試合出場を重ねますが、9月の鹿島戦から哲也さんに3年越しにスタメンを奪還され、28試合出場となりました。(この鹿島戦は65分に哲也さんが痛んで飯倉さんに途中交代という面白さ)
2013年、マリノスが優勝争いをした年、この年は完全に哲也さんが守護神として復活し、飯倉さんは心外膜炎の発症もあってベンチにすらなかなか入れませんでした。六反勇治選手がいたのもありましたし。そのためマリノスが天皇杯優勝したときもふてくされていたことをこのセレモニーで明かし、誤っていました。まぁ、知ってましたよね。(笑)
2014年は哲也さんが34試合に出場したのもあり、公式戦出場無し。
2015年は5月の松本山雅戦でスタメン奪還。リーグ戦25試合に出場します。
2016年は開幕スタメンでしたが、5月の鹿島戦で負傷して哲也さんと交替。(2012年の逆パターンの交代)そこから哲也さんにスタメンを奪われ、リーグ戦出場は12に留まりました。この年の最終節のセレモニー後、マリノスサポーター中心部は飯倉さんにチームに残ってほしいという気持ちを込めてなのかベンチ外だった飯倉さんのチャントを高らかに歌いました。私は「残ってほしいけど、もう30歳だから出場機会がないなら移籍もやむなしなのかな」と覚悟していました。
しかし2017年、移籍したのは飯倉さんではなく哲也さんの方でした。この年はロベルト佃の乱発生1年目で、その配下の哲也さんの移籍はある意味必然的でした。
そしてこれにより、私がずっと見てきたマリノスGK陣の複数看板体制が終わりを告げました。
参考資料として以下の表に、2005年から2019年第23節までにおいてマリノスのリーグ戦に出場したことのあるGKとその試合数の一覧を示します。
シーズンを通したJ1出場経験のあるGKが複数所属しているって結構すごいことでしたよね。
2017年 そして飯倉さんは不動の守護神として34試合にフル出場します。特に天皇杯広島戦でのウーゴ・ヴィエイラ選手へのパントキックによるアシストは圧巻でしたね。
2018年 この年も飯倉さんは全34試合に出場しますが、2017年との大きな違いは監督がアンジェ・ポステコグルー監督に変わったことでした。ゴールキーパーに広い範囲の守備範囲と足元の技術を要求するボスの攻撃的ハイラインサッカーは、飯倉さんがそれまで持っていた出場90分辺りの失点数の少なさの記録を大きく削ってしまうことになりますが、それでもこのサッカーこそが飯倉さんがやってみたかったサッカーなのではないかと感じました。
今年2019年も開幕スタメンになった飯倉さん。しかし第5節の鳥栖戦から今季新加入の朴一圭選手にポジションを奪われます。
パギさんと飯倉さんを比較する時、私はポケモンコマスターを例えに使います。
例えば朴一圭選手と飯倉大樹選手をコマスターの同種フィギュアに例えて比較すると、
ミス幅が8あるけど10チェインしてあるのが飯倉さん。
チェインはあまり進んでないけどカルモナイト使ってミス幅を4まで減らしてるのがパギさん。
となります。
別の例え方として似たルーレットをした2種類のフィギュアに例えることもできます。
飯倉さんはレシラムで、ミス幅が8あるけど火力がゼクロムより高いです。
パギさんはゼクロムで、火力はレシラムに劣りますが、ミス幅は4でゼクロムだとミスになってる4ピースが青技(セーフティ蹴り出し)になってます。
能力は飯倉さんの方がJ1経験の豊富さもあって少し上だけど安定性確実性ではパギさんの方が上という個人的イメージですね。
そしてこの度、悩みに悩んでヴィッセル神戸への移籍を決心した飯倉さん。
幼い頃からのマリノス愛はあれど、出場機会と高い年俸を求めて移籍するのはプロフェッショナルとして当然の決断だと思います。(移籍金もマリノスに結構入るみたいですし)
そして神戸とのリーグ戦が2試合とも終了した今、飯倉さんは今年だけは東京や川崎や鹿島を倒してマリノスの優勝を手助けすると誓ってくれました。こんなこと言っちゃって良いのかな?と思えるほどマリノス愛に溢れた発言には感動しましたね。
最後は逃げる飯倉さんを捕まえて胴上げ。今年のマリノスはロケレン移籍の天野純選手然り今季初ゴールを決めた遠藤渓太選手然り偽あまじゅんと化した広瀬陸斗選手然り割と軽いノリで胴上げをするので笑っちゃいます。楽しいチームで最高ですね。