Jリーグは2023シーズンを迎えるにあたって、大きなルール変更を行いました。
それは"背番号51~99が使えるようになる"ということです。
2022シーズンまでのJリーグにおいてはユニフォーム要項第6条により、
「0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとする。12以降はポジションと無関係とし、50までは欠番を認める。ただし、51からは連番で番号をつけることとし、欠番は認めない。」
と規定されていました。実質的には背番号50が最大というルールですね。
しかし、2023年1月1日でその一文が
「0は不可とし、1をゴールキーパー、2~11をフィールドプレーヤーとする。12~99はポジションと無関係とする。」
という一文に書き換えられました。
それにより、背番号51~99を制限なく登録できるようになりました。これは革命です。
昨シーズンも背番号の集計を行っていた私にとってこの革命は非常に興味深い出来事です。
そこで今年は、昨年同様の背番号と登録ポジションの分析に加えて、背番号51以上を付ける選手をピックアップしてゆきたいと思います。
今年もJリーグ公式サイトの選手名鑑ページで、"詳細な条件から選手を選択"を選び、2023シーズンと各背番号を指定して調査しました。
↑このURLで、背番号99の選手一覧が出てくるはずです。
調査対象は、2023年2月18日時点で検索にヒットした全65クラブ1875選手となっています。そのため、メジャーリーグサッカー・バンクーバー・ホワイトキャップスに移籍した高丘陽平選手もギリギリ調査対象に含まれてしまっています。(泣)
さらに、この記事を書くにあたり、サッカーダイジェストのJリーグ選手名鑑を参考にしています。
この冊子での各選手へのアンケート事項に「背番号へのこだわり」という項目があるので、選手それぞれの背番号の由来がわかるのが素晴らしいです。
背番号・ポジション集計表
それではまず、登録ポジションと背番号の関係の集計結果を見てみましょう。
まずは、ポジションに関わらず、どの背番号が多く使われているかどうかの統計を示します。
今シーズンは全60クラブ中58クラブが使用していた背番号1が使用率No.1になりました。次点で57クラブの8番、その次に56クラブの14番と続きます。まぁ、マリノスの高丘陽平選手が退団したので、実質的には1番と8番が同率1位なのですけどね。(泣)
総使用数のランキングは統計を取ったこの3年間で結構入れ替わりが激しく、安定してTOP3にいたのは8番と14番だけでした。
前年度も使えた1番から50番までは、それぞれ最低2名はその背番号を付ける選手がいました。
新解禁の51番以降を付ける選手は、特別指定選手も含めて現在29名いるようです。細かくは下方の項で紹介します。
GK
続いて、GKのランキングです。
GKは1番-21番-31番のトップ3は不動です。統計はここ3年しか取っていませんが、恐らく10年以上ずっとこのトップ3なのではないかと思われます。下1桁が"1"の背番号がJリーグのGKの背番号として有力ですね。
ここでひとつ気になるのは、1位の背番号1番の使用数です。昨シーズンは8クラブが空き番号にしていましたが、今シーズンは2クラブを除いて使用しているという使用率の高さとなり、合計使用率ランキングでも1位となっていました。これはすなわち、新たに背番号1を背負うようになった選手が数多くいるということです。細かく気になるので、個別で記事を書いてみようかと思っています。
DF
DFは3年連続で背番号3が1位となりました。2位争いを繰り広げている2-4-5番はボランチやウイングバックなどのMF登録の選手もちょこちょこ現れますが、背番号3はセンターバックの選手が多くDF登録の選手が圧倒的に多いイメージです。すみません、フィーリングで語ってます。DFの中でサイドバックかセンターバックかを分類すればさらに面白いと思いますが、私は面倒なのでやりたくありません。
MF
今年のMFの1位は8番でした。8番はMFの中でもインサイド寄りのポジションでプレーする選手が多く背負っているイメージのある背番号ですね。
2位の14番は、10番と似た感じで、テクニシャンやプレースキッカーが好んで付けているイメージがあります。
背番号10は3位に来ました。MF登録の10番はチームの核になっているイメージです。
4位の7番はMFの中でもサイドハーフなどの攻撃的なイメージ、逆に5位の6番はMFの中でもボランチなどの守備的なイメージです。
FW
FWのランキングTOP2が9-11なのも、GK同様にずっと変わらないものだと思います。
何故11よりも9番の方が1トップとしてのエースストライカーのイメージが強いのか。それは大昔のサッカーのフォーメーションで前線に選手を5人並べていた時代に左から11 10 9 8 7と前線の選手に背番号を付けたときのセンターフォワードの9番の名残、という説を聞いてなるほどと思いました。歴史と共に8番と10番が後ろの列に加わって7 9 11の3トップになっていったようです。
9番が1トップを務められるようなポストプレイヤーが多いのに対して、11番は裏抜けを得意としたシャドーストライカーやウインガーが多い印象があります。MF登録だがFWもできるアタッカーが11番を付けている例も少なくはありません。
下1桁が"9"の19番や29番も、FWの背番号として定番ですね。
また、背番号18がFWの背番号として多いのは、9×2=18という意味なのか、かつてJ1各クラブでゴールを量産したマルキーニョスさんのイメージなのか、というところですね。
近年はウイングを採用した3トップシステムが流行しているためか、7番や23番でFW登録の選手も増えつつあります。
集計グラフ
以上の結果を、積み上げ棒グラフに表しました。
使用数が大きく下がる34番以降で、やはり41番の突出した人気が印象的ですね。下一桁が1なのでGKに多いのはもちろん、近年は家長昭博選手をはじめとしてアタッカーに人気のある背番号です。どうやら背番号41を14と同義として着けている選手も多いようです。
背番号51以上を付ける選手たち
それではここから、今シーズン新解禁の背番号51以上を背負う選手を紹介します。
51
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
この2名は特別指定選手です。本当は統計に含めるべきではないのですが、50番までの特別指定選手を弾くのが面倒だったので、統計に含めました。
51番といえば日本の野球界ではイチローさんのイメージで、NPBの各球団でも強打者が着けている印象ですが、サッカー界に背番号51の波はいつかくるでしょうか?
52
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
この選手も特別指定選手です。今シーズンは特別指定選手の背番号として51番以降を使うクラブも増えるでしょう。
55
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
フランス帰りの植田選手は、既に関川選手が付けている5番の替わりとして55番を背負うことにしたと思われます。
57
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
権田選手は、息子さんの誕生日である5月7日を背番号にしました。ポルティモネンセ時代にも57番を背負っていたシーズンがあります。というか権田選手、
19-20 ポルティモネンセ 16番
20-21 ポルティモネンセ 57番
21 清水エスパルス 37番
22 清水エスパルス 21番
23 清水エスパルス 57番
と4シーズン連続で背番号を変更しています。
66
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
昨シーズンは44番を背負っていた大畑選手は今年は66番です。ゾロ目が好きなのでしょうか。
67
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
67という数字は、日高選手自身のラッキーナンバーだそうです。
71
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
チーム設立に尽力した坂田道孝氏の命日1月7日にちなんだ鳥栖のサポーターナンバーである17番を逆にした背番号71を背負うことにしたパギさんです。
77
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
ユンカー選手「7という数字が好きで選びました」(昨季浦和で7番)
大津選手「背負ってみたかった」(昨季11番)
と背番号7のイメージが強いこの2名は7番の替わりに着けているようです。
ジェトゥリオ選手(昨季29番)は、アヴァイやヴァスコ・ダ・ガマで背負っていた99番を付けたかったようですが、ウタカ選手に99番を取られたので替わりに77番を着けたようです。
80
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
昨季の背番号27から80番に変更したオタボー・ケネス選手。サッカーダイジェストの選手名鑑には「80番への変更の裏には悲しいエピソードが。」とだけ書いてあるのですが、そのエピソードの中身が知りたいです。誰か教えてください。
81
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
昨季の24番から81番に変更した梶川選手。サッカーダイジェストには「8月1日生まれだからではありません」と書いてあるように7月26日生まれ。でも何かしらのこだわりがあるとのことです。
88
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
小野瀬選手「縁起よさそう」(昨季ガンバで8番)
ホ・ヨンジュン選手「好きな数字8をふたつ並べた」(昨季浦項で8番)
に加えて昨季38番の濱選手と、背番号8が好きそうな選手が並んでいます。
89
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
恐らく1989年生まれだから89番なのだと思われます。
92
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
昨季の29番から桁を入れ替えました。9という数字が好きなようです。
95
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
金沢 | 95 | ジェフェルソン バイアーノ | FW | ブラジル | 1995/05/10 | 186/83 |
「95年生まれだから」とのことです。昨季のホアンアイン・ザライや過去の富川FCでも背番号95を着けていたようですね。
99
クラブ | 背番号 | HG | 名前 | Pos. | 出生地 | 生年月日 | 身長/体重 |
新たな最大背番号の99を背負う選手は7人もいます。
まず、GKに3名です。上福元選手(昨季京都で21番)は「新時代」、谷選手(昨季湘南で1番)は「これからこだわりを持ちます」とコメントしています。宮崎の植田選手は47番からの変更となっています。GKの99番は、ドンナルンマ選手をはじめ、セリエAなどで結構見られる背番号なので、今後Jリーグでも流行るかもしれませんね。
「9のついた番号にしたかった」と語ったイスマイラ選手は39番からの変更です。9番を着けていた京都から甲府に移籍したウタカ選手は「9=ゴールゲッター」とのことです。
特別指定選手を除いた55番以降の選手25名のうち、登録ポジションの内訳は、GK7名、DF3名、MF6名、FW9名となりました。
クラブごとの内訳は、
3名:宮崎
2名:名古屋、甲府、磐田、岩手
1名:札幌、鹿島、浦和、川崎、湘南、京都、ガンバ、福岡、鳥栖、仙台、千葉、金沢、清水、沼津
となりました。宮崎が3人もいるのですね。
以上です。51番以降の背番号については、6番-7番-8番-9番が埋まっているためにその替わりとして66番-77番-88番-99番を着けるなどといった感じで、夏の新加入選手が着ける例も多く見られると期待できます。
新たな背番号が解禁され、よりこだわりのある魅力が増したこれからのJリーグに注目していきましょう!
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