ドンナマイト大全前編に引き続き、3話目の1回戦第8試合、
シューティーVSベルのバトルの途中からを書いた後編です。
1回戦がすべて終わり、1日目の日程は終了しました。敗退したシューティーは、今回もそれ以降の試合を見ずに帰ってしまいました。ドンバトルに引き続き1回戦負け、こんなことではアデクさんに挑めないと、色々思い悩んでいるようでした。
ちなみにこのとき、ラングレーとカベルネは一緒にテーブルについてお茶をしながら、去っていくシューティーを見ていました。この2人はドンナマイトではよく一緒に試合を観戦しているのですが、一緒にお茶するほど仲良しになっていたとは……。ライバルへの一方的な想いをぶつけるもの同士、何かつながるものがあるのでしょうね。
2回戦
『サンヨウジムより来たりしくさタイプの達人降臨、ポケモンソムリエの武者修行か、はたまたジムリーダーの力を天に示すぬるためか、草香る緑の戦士』デントとヤナップ。対するのは『バトルとゲットの旅から旅へ青い稲妻ダゲキと共にフィールドに嵐を呼ぶ男その名をユッケジャン』(ケニヤン)とダゲキ。
ヤナップの攻撃を受けながらそのまま力押しし、ローキックが炸裂してダゲキの勝利。その凄まじい勢いで、デントのテイスティングタイムも封じられていましたね。
第2試合 バッキーVSサトシ
『イッシュ地方にその名を轟かせた超絶暴れん坊三姉弟も2回戦進出は惜しくも紅一点この乙女のみだ、暴走バトル娘』バッキーとヒヤッキー。対するのは『夢はポケモンマスター、
イッシュリーグ目指して現在バッジは6個、果たしてリーグ制圧なるか、
カントーから来た熱血少年』サトシとズルッグ。
ズルッグがずつきでヒヤッキーのかわらわりを押し切り、とびひざげりでズルッグの勝利。夜に使いこなす特訓をしていたきあいだまはまだ命中させられませんでした。
第3試合 ラングレーVSベル
『ドラゴンタイプを刈る乙女、獰猛な魂がバトルフィールドに炸裂する、激情のドラゴンバスター』ラングレーとキリキザン。対するは『イッシュで一番うるさいトレーナーといえばコイツだ。朗らかな笑顔で戦場を駆け抜ける花一輪、爆裂弾丸スマイル』ベルとエンブオー。
そして「キリキザンVSエンブオー」とこのカードも尺は短いながらサブタイトルに書かれていました。ラングレーのバトルが2戦連続サブタイトルになったという事実、スタッフの誰かがラングレーをサブタイトルで推してくれたのではないかと思ってしまうレベルです。
第4試合 マサオミVSアイリス
『吠える武闘家ここに参戦。赤き獣が戦場に吠える、鍛え上げられた肉体が嵐を呼ぶか、孤高の帝王』マサオミとナゲキ。対するは『でっかい頭に詰まった夢はドラゴンマスター。竜の里の期待を一身に背負って、行くは戦場修行の日々、竜の心を知る乙女』アイリスとドリュウズ。このアイリスの紹介にはラングレーはたまらず「ドラゴンと言っておいてドリュウズを使ってることにだれか突っ込んでよ」と猛抗議。ラングレーの’ドラゴンマスターのアイリス’へのこだわりが強く見られるシーンでしたね。
試合はあなをほるを使ったドリュウズをばかぢからで叩きだし、ちきゅうなげを決めたナゲキの勝利。
2回戦が全て消化されベスト4が決定しました。2日目の日程はこれにて終了です。
BW第73話「決戦ドンナマイト!ナゲキVSダゲキ!!」
2012年4月5日 脚本:米村正二 絵コンテ: 浅田裕二 演出: 川田武範
準決勝 準決勝以降は『』内はドン・ジョージの紹介
エンブオーの攻撃を何度もかわしたダゲキがフルパワーのからてチョップを炸裂させて勝利。
第2試合 マサオミVSサトシ
『ド根性で時代を変える。嵐を呼ぶ新世紀トレーナー、サトシ。そのパートナー、皮パンツの火の玉ボーイ、頑固な脱皮番長、ズルッグ。』
『ポケモントレーナー界最高の暴君にして最高の賢明、マサオミ。そのパートナー、ハイブリッドバトルサイボーグ、鋼鉄の新武士、ナゲキ。』
ズルッグのにらみつけるやきあいだまが効かず
当たらず、終始余裕たっぷりだったナゲキがちきゅうなげを決めて勝利。
決勝は午後ということで昼食の時間。決勝戦の控えるケニヤンとダゲキには、デントが2人に消化しやすいものをサーブしてくれました。ダゲキはその姿から振る舞いまで非常に人間に近いポケモンですので、ちゃんとテーブルの前で椅子に座って食事をとっていました。それでも食べているのがポケモンフーズだったのは可愛らしかったです。
また、ケニヤン・ダゲキ・サトシ・アイリス・デントがいたテーブルの横には、ベル・カベルネ・ラングレーとライバルガールズ3人が一緒に食事をしているテーブルがありました。ちなみになかなか見られないグローブをしていないラングレーの姿はここで見られます。
『不死身の侍野生児、猪突猛進のイケイケトレーナー、ケニヤン。そのパートナー、最強の空手王、戦慄のブルークラッシャー、ダゲキ。』
『瞬殺の貴公子、孤高の天才トレーナー、マサオミ。そのパートナー、最強の柔道王、戦慄のストロングスタイル、ナゲキ。』
ナゲキVSダゲキという屈指の好カードによる決勝戦。ここまで使ってきたばかぢから・ちきゅうなげ・ともえなげに加えて、隠していた4つ目の技、しめつけるを使ってきたナゲキ。対するダゲキも、ビルドアップ→インファイトを駆使した一撃で対抗します。そうしてかくとうタイプのポケモン同士、とても熱いバトルが繰り広げられていきました。最後はダゲキが倒れた状態からタイミングを見計らって放ったインファイトがナゲキにクリーンヒットし、ダゲキの勝利。
ドンナマイトの優勝はケニヤンとダゲキに決まりました。かくとうタイプの祭典にふさわしい結末でしたね。(優勝賞品は能力UPの栄養ドリンク6種を1年分。) ケニヤンとしては、大会前にフキヨセタワーで願いの鐘を鳴らした甲斐があったとも感じられたでしょうね。
夕方、サトシ・アイリス・デント・ベル・カベルネ・ケニヤン・ラングレーが集合して、再会を誓いました。この大会では、それぞれの元々のライバル関係であったカードは1つも生まれませんでしたので、「今度こそバトルしよう」という思いがそれぞれに強く現れていましたね。
「ベストウイッシュ!良い旅を!」そうして3日間にわたったドンナマイトは幕を閉じたのでした。
※おまけ※
2回もサブタイトルになったラングレーのキリキザンですが、ラングレー自身もその2つの回の次回予告を担当しました。1回目はアイリスと2回目はベルとそれぞれ掛け合いながら次回予告をこなし、最後にはラングレーの「ゲットだよ!」が聞けるという……ラングレーちゃん好きとしてはたまらない次回予告でした。
ドンナマイトは段階ごとに対戦カードを抽選で決定する方式なので、本当は存在しないのですが、ドンナマイトのトーナメント表を作ってみました。
バトル時に画面左側に位置していたトレーナーがより左上にくるように並べています。
(前ページまでの対戦カード紹介では、実況が読み上げた順番に左側から書いています。)
放送当時の2012年3月に発売された
ポケモンファン第21号には、「ドンナマイトバトルポスター」というものがついていました。この絵として1話目最後のハーモニーカットが使われていて、まるで映画のポスターであるかのようなかっこよさに溢れていましたね。
ここで気になるのは、左下に付け足されているとはいえ、本来の主人公であるサトシが絵の中では非常に小さく描かれていることです。優勝したのがケニヤンであったことはもちろん、サトシ・アイリス・デントの中で最高成績だったのがサトシのベスト4であったことも含めて考えると、レギュラー組が勝つという王道の展開になっていないと言えます。実は私はそれこそがこのドンナマイトの良さ、さらにはベストウイッシュの良さなのだと考えています。後に湯山総監督は「ベストウイッシュは群像ドラマだ。」と表現したのですが、このドンナマイトはまさにその通りで、少ない主役だけが活躍する展開に固定せず、サトシ・アイリス・デントの3人、シューティー・ベル・カベルネ・ケニヤン・ラングレーのいつのもライバル5人、それにマサオミを加えた9人で描かれていったのです。(もちろん他の7人の参加者や主催陣も、キャラやデザインが凝っていて物語を引き立ててくれました。) たくさんのキャラクターの台詞、絡み、バトルが見られ、みんなが楽しく活躍する姿が描かれた群像劇、それがドンナマイトなのです。
ライバルたちがみんなで楽しく賑やかにしている姿……それは今でも私を構成する最重要要素であって、私が追い求めている姿なのです……!!
それではみなさん、ベストウイッシュ!良い旅を!!
以上、ドンナマイト大全でした。準決勝からはドン・ジョージが自ら選手入場時に
トレーナーとポケモンを紹介するのですが、それがまたかっこよくてかっこよくて。
(字幕が見られないので、所々間違えているかもしれません。)